副甲状腺機能検査
- 【読み】
- ふくこうじょうせんきのうけんさ
- 【英語】
- para-thyroid gland functional test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】副甲状腺の分泌するホルモンとその作用を受ける物質を臨床化学的に測定して、副甲状腺の機能と病態を把握せんとする検査をいう。
【意義・目的】副甲状腺は副甲状腺ホルモン(PTH)とカルシトニンを分泌する。これらはカルシウム(Ca)とリン代謝に最も重要な役割をになっている。
PTHは主として骨と腎に作用し、骨芽細胞、骨細胞のDNA合成を促進し、骨よりCa、リン、骨基質などを放出させる。腎ではPTHが近位尿細管でのCa++、K+、HCO3-の再吸収を抑制し、リンについては排泄を促進させる作用をもつ。また25(OH)D3より、1、25(OH)2D3への変換も促進させるが、これらはすべてc-AMPを介して行われる。この活性型ビタミンDはPTHとともに血清Ca値を上昇させる働きがある。PTHの分泌調節は主に血清Caレベルによっていて、両者の間には負の相関がある。カルチトニンは血清Ca低下作用があるが、これは骨吸収の抑制による。
以上のように副甲状腺はCaおよびリン代謝をつかさどるから、その機能検査も血液や尿のCa、リンの変動と、PTHの測定が中心目標となる。
【検査法】副甲状腺機能異常を疑ったなら、最終的には次の基礎値の測定をすべて行うが、各測定値の重要度は疾患により異なる。目的に応じた検査項目の組み合せと選択の順序を用いるべきである。
【副甲状腺機能検査法】
1.一般的(基礎値)検査
1)血清Ca、尿中Ca排泄量
FEca(カルシウムクリアランス/クレアチニンクリアランス)
2)血清リン酸、尿中リン酸排泄量
尿細管リン酸最大再吸収量 TmP/GFR
尿細管リン酸最大吸収率 %TRP
3)血中副甲状腺ホルモン PTH
4)尿中cAMPまたは腎原性cAMP
5)その他:血清Mg、動脈血pH、重炭酸塩、血清Cl、血清ALP、尿中ヒドロキシプロリン、ビタミンDメタボライド
2.特殊検査
1)ELLsworth-Howard試験
2)Ca負荷試験
3)EDTA負荷試験
4)グルココルチコイド負荷試験