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副腎髄質機能検査

【読み】
ふくじんずいしつきのうけんさ
【英語】
adrenomedullary function test
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【目的】副腎髄質は交感神経の一部をなし、アドレナリン(AD)、ノルアドレナリン(NA)、ドーパミン(DA)などのカテコールアミン(CA)を分泌している。ADは主として副腎髄質に存在し、血中に分泌され、広範なホルモン作用を発揮し、NAは中枢神経、交感神経、副腎髄質などに広く分布して神経伝達物質として作用し、DAはADとNAの前駆体として、神経伝達物質または修飾因子として重要視されている。これらCAの過剰な生産分泌は、主として褐色細胞腫ならびに交感神経芽細胞腫にみられる。
【適応疾患名】CA産生腫瘍の褐色細胞腫、交感神経芽細胞腫の診断、治療および交感神経系の機能異常に関連した各種疾患の診断や治療効果の判定に利用される。
【検査法】機能検査は、血中および尿中CAとその分画(AD、NA、DA)測定、尿中CA代謝産物(メタネフリン(MN)、ノルメタネフリン(NM)、ホモバニリン酸(HVA)、バニールマンデル酸(VMA)など)測定、立位・寒冷・運動などによるCA負荷試験などが一般に行われる。検査時に血中CAはストレスの影響を受けやすいので注意を必要とする。
 レギチン(チラミン、グルカゴン)負荷試験は、褐色細胞腫の診断に有用であるが、特異性、副作用などの点から実施されなくなっている。その他、腹部超音波検査、CTスキャンならびにシンチグラフィーなどは、CAの過剰産生があるときに、その産生部位がどこであるかを知る目的でなされる。
【結果・評価】尿中CAが高値ならば褐色細胞腫、神経芽細胞腫を考える。低値の場合は臨床上問題とはならない。
1)褐色細胞腫:小児も10%発生するが、主として成人にみられる。血中、尿中CAの過剰生産がみられたならば、さらに、腹部超音波検査、CT、シンチなどで診査し腫瘍発生部位を確認する。
2)交感神経芽細胞腫:好発年齢は、0~1歳で3歳までの発症例が約75%である。腫瘍はAD、NAのみならずDAも産生し、したがって、VMAとともにHVAも増量してくる。それゆえ、AD、NA、DA VMA、HVAの測定で異常があれば、超音波検査、CT、シンチ、骨髄穿刺などの検査を行い確認することが必要である。