プロトロンビン消費試験
- 【読み】
- ぷろとろんびんしょうひしけん
- 【英語】
- prothrombin consumption test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】正常の血液凝固過程では内因系凝固反応により産生された血液トロンボプラスチンは、プロトロンビンを活性化してトロンビンを生成する。このプロトロンビンからトロンビンへの転化は血液トロンボプラスチンの形成の程度に依存する。したがって、血清中の残存プロトロンビンの量を測定することにより、内因系血液凝固第1相の異常を知ることができる。すなわち、凝血後37℃1時間放置後の血清を分離し、3.2%クエン酸ナトリウム液を加えてプロトロンビンのトロンビンへの転化を止め、さらに加温によって血清中に生成されたトロンビンを非活性化する。この被検血清に硫酸バリウム吸着血漿を加えて、プロトロンビン時間測定と同様な操作で血清中に残存しているプロトロンビン量を測定する方法である。
【検査法】
1)血液3.0mlを肘静脈より採血し、37℃で1時間放置する。放置後、血液を遠心して血清を分解する。
2)小試験管に血清1mlを入れ、次いで3.2%クエン酸ナトリウム液0.1mlを加え、この小試験管を37℃恒温槽中に30分間放置する。
3)そのあと、クエン酸ナトリウム加血清0.1mlと正常硫酸バリウム吸着血漿0.1mlを小試験管に入れ、さらに組織トロンボプラスチン・カルシウム混合液0.2mlを加え、ストップウォッチを始動させる。そして、フィブリンが析出されるまでの時間を測定する。
【適応疾患名】VII、XI、VIII、X、V因子、血小板因子の欠乏症。
【正常値】
凝固時間 30秒以上
プロトロンビン消費量 90%以上
プロトロンビン残存量 10%以下
【評価】測定値の求め方はプロトロンビン時間Quick1段法と同様に検量線を作り、求めた血清プロトロンビン時間(秒)より、プロトロンビン値%に換算する。正常の血清プロトロンビン時間は30秒以上で、プロトロンビン量は10%以下である。