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プロラクチン

【読み】
ぷろらくちん
【英語】
prolaction, PRL
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】乳腺刺激ホルモン
【意義・目的】プロラクチン(PRL)は下垂体前葉ホルモンの1つで、下部標的器官は乳腺と卵巣である。他に腎臓や睾丸にも作用するといわれている。したがって、乳汁漏出、不妊症、無月経、無排卵の婦人や性機能障害を訴える男性に対する検査としてPRL値の測定は欠かすことができないものである。
【検査法】方法としては、マウスなどの臓器培養による測定やラジオレセプターアッセイによる生物学的測定法もあるが、最近はもっぱらラジオイムノアッセイ(RIA)による免疫学的測定法が用いられている。
 RIA用キットは市販されており、血清または血漿50~100μlを用いて、2抗体法RIAによる標準曲線から数値を読みとる。
 PRL分泌は種々の精神的、身体的ストレスや刺激により変動するのでサンプルの採取、処理を身長にすることが肝要である。
【正常値】血中プロラクチンの基礎値は次のとおりである。
新生児 100~500 ng/ml
小児 20~150 ng/ml
成人男性 4~20 ng/ml
成人女性 5~25 ng/ml
老人 0~15 ng/ml
【結果・評価】通常PRLの分泌に性差はほとんどないが、女性では妊娠中に増加し、末期には200ng/ml以上に達する。出産後は授乳期間により差があるが2~3週目より2~3ヵ月にかけて正常に復する。またPRL値は夜間睡眠中に上昇し、運動、性交、蛋白食、麻酔などによっても高くなる。
 病的には高PRL血症(30ng/ml以上)をみるものとして、プロラクチン産生下垂体腺腫、視床下部の機能性ならびに機質性障害、甲状腺機能低下症、慢性腎不全、薬物服用(フェノチアジン、レセルピン、メトクロプラマイド、スルピリド、エストロゼンなど)、その他があり、男性でも性欲減退、乏精子症などで高くなる。一方、低PRL血症(5ng/ml以下)を示すものには汎下垂体機能低下症の1分症がある。
 プロラクチン値が高値や低値を示す場合には、それぞれPRL分泌刺激試験、PRL分泌抑制試験を行って診断の助けとする。