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平均赤血球容積

【読み】
へいきんせっけっきゅうようせき
【英語】
mean corpuscular volume, MCV
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】平均赤血球恒数の1つで、赤血球1個の平均容積を絶対値(μm3)で表わしたもので、臨床的意義は容積指数と同じであるが、他の平均赤血球恒数である平均赤血球色素濃度(MCHC)および平均赤血球色素量(MCH)とともに貧血の形態的分類に用いられる。
【検査法】通法によりHt値ならびに赤血球数(R)を測定した後、次の式により算出する。
MCV(μm3)=Ht(%)÷R(106/μl)×10
 また、血球自動計算器により電気的にMCVを直接測定する方法がある。
【正常値】成人の正常値は、83~93μm3で、新生児では105μm3と高く、10歳以下の小児では73~87μm3と低値を示す。日野によれば日本人の正常値は94(89~100)μm3とかなり高値を示すという。
【結果・評価】MCVの正常値は報告者によって差異があるが、平均正常値90μm3(80~100)を正球性、80μm3未満を小球性、また100μm3を越えた場合を大球性とするのが適当であるといわれている。
 そして、この結果から他の平均赤血球恒数であるMCHおよびMCHCとの組み合わせにより、貧血を形態学的に、正球性正色性貧血、小球性低色性貧血および大球性貧血に分類する。