β2‐ミクログロブリン
- 【読み】
- べーたに‐みくろぐろぶりん
- 【英語】
- β2-microglobulin
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義】β2-ミクログロブリン(以下β2-m)は分子量11,800、100個のアミノ酸からなる低分子蛋白質で、リンパ系組織や悪性腫瘍細胞からも産生される。血清β2-m濃度は糸球体濾過値と関係があり、糸球体濾過値が低下した場合、血清クレアチニン値よりも早期に、β2-m濃度の上昇をみる。β2-mは、糸球体基底膜を通過するが、尿細管でほぼ100%再吸収される。しかし、尿細管障害がある場合、尿中に多量に排泄される。そのために、尿中のβ2-m濃度は尿細管障害の指標となる。また、血清中のβ2-m濃度は悪性腫瘍、自己免疫疾患、肝疾患などでも上昇するために、特に悪性腫瘍に伴うβ2-mは腫瘍マーカーとしての意義が考えられている。
【検査法】測定法は、一元放射状免疫拡散法(SRID)、免疫ネフェロメトリー、酵素免疫測定法、放射免疫測定法(尿中β2-m)、ラテックス凝集法(髄液中β2-m)などがある。
【正常値】
血清中:0.5~1.5mg/l
尿中:32~100μg/l
髄液中:0.5~1.4mg/l