ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)
- 【読み】
- へまときしりん・えおじんせんしょく(えいちいーせんしょく)
- 【英語】
- Hematoxylin-eosin stain
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】細胞、組織の特徴を明らかにするためにヘマトキシリンとエオジンの二種類の色素を用いて染色する最も一般的な染色法である。
【目的】細胞および組織構造の光顕レベルでの全体像を把握することにある。病理組織診断の多くはこの染色法にて診断可能である。
【適応】スメアー標本、凍結切片、パラフィン切片などの細胞、組織一般の染色。
【染色法】
1)キシロール、アルコールの順で十分脱バラフィンを行い、流水水洗し蒸留水を通す。
2)ヘマトキシリン液で核染色を行う。
3)流水水洗しヘマトキシリンの色出し定着を完全に行う。
4)必要限度内、できるだけ短時間でエオジン液で染める(後染色)。
5)余分のエオジン液を流す程度に水洗。
6)70%アルコールから100%アルコールへとエオジンの脱色分別および脱水を行う。
7)カウボールキシロール、キシロールで脱水、透徹する。
8)封入剤とカバーグラスを用いて封入する。
(注):ヘマトキシリンの色出しは完全に行うことが大切である。初心者はこの判定を鏡検によって行ったほうがよい。
【評価】核および石灰化部などは青紫色、細胞質、間質などの組織成分は赤~淡赤色に染まる。仕上がりの判定は核ならば核小体が明瞭に識別できることが必要で、核の内部が青い色素のかたまりのように見えるのはヘマトキシリンの過染である。また、エオジンが濃く染まり過ぎると構造の鮮明な輪郭がつかめない。