ヘマトクリット値
- 【読み】
- へまとくりっとち
- 【英語】
- hematocrit value
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】 血球と血漿の容積比はほぼ一定しており、血液を遠沈すると、血液中の有形成分はその比重に応じてそれぞれ層を成して沈澱する。この赤血球の容積が全血容積の何%を占めるかを測定する。従来、Wintrobe法が一般に用いられていたが、最近では高速遠心法が用いられる。
【適応】 貧血や赤血球増加症の状態およびその程度を知る。
【検査法・毛細管法】
1) 耳朶を穿刺して出血させ、第1滴を拭い、次の血滴に毛細管をあて、毛細管現象で血液を感の2/3まで入れる。この際、空気の混入に注意する。
2) クリトシール(パテ)で管底が平らになるように封する。
3) 毛細管ヘマトクリット遠心器に入れ、11000回転、5分間遠心する。
4)毛細管を取り出し、赤血球層高と全層高(血球層+血漿層)を付属の目盛盤で読み、その比を求め100倍すればヘマトクリット値(%)が得られる。
【正常値】
男 41.9(36~48)%
女 37(34~43)%
【結果・評価】Wintrobe法より3~5%低い(高速遠沈のため)。
Htと赤血球数の比から平均赤血球容積MCV(正常値:83~93)、血色素濃度とHtの比から平均赤血球血色素濃度MCHC(正常値:32~36)が求められ、貧血の種類の鑑別に利用できる。
黄疸指数用標準系列液を毛細管に入れたものを用意しておき、遠沈後の上清を比色して黄疸指数を求めることができる。