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ポルフィリン体

【読み】
ぽるふぃりんたい
【英語】
porphyrin
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】ポルフィリン体はヘム合成経路の中缶体である。プロトポルフィリン、コプロポルフィリン、ウロポルフィリンおよびその前駆物質としてポルフォリノーゲン、デルタアミノレブリン酸(ALA)が日常検査の対象となっている。
【意義・目的】ポルフィリン症ではヘム合成経路のいずれかに異常があり、その結果人体にポルフィリン体の異常な蓄積や排泄が生じたものである。本症に特有なヘム合成酵素活性の障害が証明されている。
【適応疾患名】ポルフィリン体が生理的および病的に変動する場合を下記*1および*2で示した。
 ポルフィリンの検出・定量には各型ポルフィリンに共通する赤色調(400nm)を測定するか、紫外線を照射したときの赤色蛍光(励起400nm、蛍光620nm)による。蛍光は感度が高く、定性には利用されるが、不安定であり試料中の非特異蛍光に影響されるから定量には用いられない。
【結果・評価】ポルフィリン体の異常値の発見は、肝性および骨髄性ポルフィリン症、光線過敏症、各種の貧血、鉛中毒などの鑑別診断に有用である。

*1 生理的変動の要因
 1) 性差ほとんどなし。年齢差不明
 2) 尿CPは日内変動あり。朝高く、夜低い。
 3) 便ポルフィリンは食餌摂取量により影響され、肉食により増加。
 4) 尿ポルフィリン体は月経周期から月経期にかけて増加

*2 病的変動 上昇する疾患
・尿ウロポルフィリン:先天性ポルフィリン症、急性ポルフィリン症、晩発皮膚ポルフィリン症、骨髄肝性プロトポルフィリン症
・尿コプロポルフィリン:先天性ポルフィリン症、急性ポルフィリン症(ことに肝性コプロポルフィリン症と異型ポルフィリン症)、晩発性皮膚ポルフィリン症、鉛中毒、肝障害
・尿ALA(前出)
・尿ポルフォビリノーゲン症:急性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、溶血性貧血
・便コプロポルフィリン:先天性ポルフィリン症、骨髄肝性プロトポルフィリン症、急性ポルフィリン症のうち肝性プロトポルフィリン症、異型ポルフィリン症、鉛中毒、各種溶血
・便プロトポルフィリン:先天性ポルフィリン症、骨髄肝性ポルフィリン症、異型ポルフィリン症、鉛中毒
・赤血球ウロポルフィリン:骨髄性ポルフィリン症(先天性ポルフィリン症、骨髄肝性ポルフィリン症、骨髄性コプロポルフィリン症)
・赤血球コプロポルフィリン:骨髄型ポルフィリン症、先天性鉄芽球性貧血
・赤血球プロトポルフィリン:骨髄型ポルフィリン症、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、後天性鉄芽球性貧血、鉛中毒