マグネシウム
- 【読み】
- まぐねしうむ
- 【英語】
- Magnesium, Mg
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】マグネシウムは原子量24.32、白銀色、六方最密構造をもつ、自然界に広く分布する元素である。
【意義・目的】マグネシウムはあらゆる生体組織中に存在するがその大部分は骨、筋肉に含まれている。生理的にはカルシウムと拮抗し、また多くの酵素反応(アルカリホスファターゼ、クレアチンキナーゼ、エノラーゼ、ペプチターゼなど)のアクチベーターとして作用し、体液バランス、神経興奮、筋収縮などに関与している。
【適応疾患名】高マグネシウム血症および低マグネシウム血症を示す疾患。
【検査法】重量法、キレート滴定法、比色法(間接法 : Kramer-Tisdall法など、直接法 : チタン黄法、Mann-Yoe法、Xylidyl Blue法など)、蛍光法、炎光法、原子吸光法など各種の方法がある。
Xylidyl Blue法 : ここでは、Magnesium B-Test Wako(R)について記述する。試薬(発色試薬はキシリジルブルーIと炭酸塩緩衝液よりなり、このほかに5mg/dl/Mg標準液がセットになっている)。
1)使用器具はすべて濃硫酸または濃塩酸の10倍希釈液に浸漬して、十分に洗浄の後に使用する。
2)検体を20μlとり発色薬3.0mlを加える。
3)混和したのち10分間放置する。
4)試薬盲検(精製水20μlに発色試薬3.0ml)を加えたものを対照として520nmで測定する。なお、溶血、黄疸、混濁血清では、600nmで測定する。
【正常値】(血清)1.9~2.5mg/dl
原子吸光法 : 本法は試料も微量ですみ、最もすぐれた測定法といえる。測定法は省略する。
【正常値】1.7~2.3mg/dl
【結果】日差、季節変動はないが40歳以上ではやや低値を、性別では、女性がわずかに低値を示す傾向がみられる。
高マグネシウム血症 : 腎不全乏尿期(急性、慢性)、高マグネシウム透析液の使用、アジソン病、甲状腺機能低下症、急性肝炎、マグネシウム含有剤の経直腸投与、ミルクアルカリ症候群。
低マグネシウム血症 : 腎炎多尿期(急性、慢性)、尿細管性アシドーシス、アルドステロン症、甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群、ループ利尿剤、低マグネシウム輸液の大量投与。