ミネソタ式多面的人格目録
- 【読み】
- みねそたしきためんてきじんかくもくろく
- 【英語】
- Minnesota multiphasic personality inventory, MMPI
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【目的】1940年にミネソタ大学のHathaway,S.RとMcKinley,J.C.の構想から開発された質問紙法による自己評価式性格検査である。
主として、問題のある精神病質を抽出したり、精神障害の種類と程度を診断するために精神医学領域での補助手段として用いられている。また、人格特性の把握や類型化に有用であるともされるが、精神障害の尺度をそのまま使用することには問題がある。
このテストは、質問紙法の最大の欠点として指摘されている、患者の作為的な応答が分析結果に大きく影響するという問題について十分な配慮が行われており、客観的な信頼度がきわめて高いという特徴をもっている。
【検査法】26のカテゴリーに分類することができる550問の質問項目は、全項目が1冊の冊子に印刷されたものと、1枚のカードに1問ずつ印刷されたものとがある。
検査に際しては、質問項目を読んで、それが自分の状態や考えにあてはまるかどうかを自己評価し、「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」のいずれかの答えを専用の回答記録用紙の該当する欄に〇印で記入する。
このテストの実施には、おおよそ1時間から1時間半を必要とする。
【結果・評価】結果の分析は、このテストを構成する4つの妥当性尺度と10個の臨床尺度について行われる。
各尺度ごとに粗点を算出するが、必ずしも「はい」が得点ではない。この粗点を、すでに作られた標準得点(T score)によって評価するが、いくつかの尺度は識別力をより大きくするためにK尺度の得点で修正する必要がある。粗点から標準得点への換算は、ミネソタ大学のデータから統計学的に求められた換算表を利用する。実際には、14の尺度のそれぞれの粗点をプロットし、折れ線でつなぐことによってプロフィールを作り、同時にその図表から標準得点を読み取ることができるようになっている。
標準得点が70以上の尺度は精神病学的に問題があるとされ、60~70では注意を要するとされている。また折れ線グラフのプロフィールの形によっても診断を下すことができ、精神障害者特有のプロフィール型が報告されている。