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ムチカルミン染色

【読み】
むちかるみんせんしょく
【英語】
mucicarmine stain
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】組織、細胞の特徴を明らかにするために色素を用いて粘液染色を行う染色法の一種である。
【目的】組織、細胞中の粘液、特に上皮性粘液の存在を証明する。
【【適応】良性および悪性の粘液性組織病変の染色。
【染色法】
1)固定 : 粘液は水によって溶出しやすく膨化、時には脱失するので、グリコーゲン染色と同様に純アルコール、Carnoy液、Zenker液などで固定する(10%ホルマリン液の固定でも不十分ながら染色できる)。
2)脱パラフィン、水洗。
3)ヘマトキシリンで核染色(1~2分)。このヘマトキシリン染色はできるだけMayerヘマトキシリンのような塩酸アルコールによる分別の必要がないものを用いたほうがよい。
4)水洗発色。
5)ムチカルミン染色液で5~10分間染色。
6)軽く水洗。
7)アルコール脱水、キシロール透徹。
8)封入(ビオライトまたはHSR)。
(注) : 水洗はできるだけ短くする(粘液は水によって易溶出、膨化)。脱パラフィン後の切片を70%アルコールにとどめ、ムチカルミン染色後の洗浄には70%アルコールを使用することがある。ムチカルミン原液は冷暗所に保存すれば少し保存がきくが、希釈した液は保存がきかないので、できるだけ毎回新しく希釈して使用したほうがよい。
【評価】上皮性の粘液成分が選択的に赤く染まる。粘液生産部位以外は多少帯黄色に染まる。また結合織の粘液は染まりにくい。