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網状赤血球数

【読み】
もうじょうせっけっきゅうすう
【英語】
reticulocyte count
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義・目的】 網状赤血球は、脱核した赤血球中で最も若く、好塩基性の色素による超生体染色で網状顆粒状構造が染め出される赤血球である。赤血球全体の中に占める網状赤血球の割合を算定して表現する網状赤血球数の増減は、赤血球産生能を反映し、これを知る最も簡単で、かつ有用な方法である。
【検査法・ブレーヒャー法】
 1) 染色液(ニューメチレンブルー0.5g+シュウ酸カリウム1.6gに蒸留水を加えて100mlとし、濾過、褐色びんに保存)を毛細管の約1/3(また、白血球用メランジュールを用いる場合はその1目盛よりやや上方)まで吸引し、次いでほぼ同量の血液を吸引する。
 2) スライドガラス上に出し、毛細管の一端を押さえてよく混和した後、再度毛細管内に吸い込み、少し空気を入れて水平にし、室温にて10~20分間放置。
 3) スライドガラス上に出し、混和して、その一部を引きガラスにつけて塗抹標本を作製。
 4) ただちに乾燥、油浸レンズで検鏡。この際、赤血球1000個中の網状赤血球の%を算出する。
【正常値】ブレッヒャー法の正常値は、報告者により多少異なるが、成人では平均1.6%(0.8~2.5%)で、男女差はないという。新生児では2~6%とやや高値を示すが、漸次、成人の値に基づく。
 なお、赤血球産性能を知るためには絶対値に換算したほうがよいといわれ、その正常値は平均約5万/μlである。
【結果・評価】網状赤血球数の増加をみるのは、(1)ほとんどすべての溶血性貧血、(2)栄養素の欠乏による貧血疾患にその欠乏栄養素が投与された場合(鉄欠乏性貧血に鉄剤、悪性貧血にビタミンB12など)、5から10日目(およそ7日目をピークとする)に、一過性の著明な増加がみられる(網状赤血球分利)、(3)鉄欠乏がない場合の大量出血後(5~7日目に網状赤血球分利)。
 また、網状赤血球の減少をみるのは、(1)再生不良性貧血、(2)赤芽球癆、(3)まれに溶血性貧血で再生不良性分利を起こした場合、(4)急性白血病などである。