薬剤感受性検査
- 【読み】
- やくざいかんじゅせいけんさ
- 【英語】
- drug sensitivity test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】感染症の治療に際し、合理的な化学療法を行うには原因菌の化学療法剤感受性を測定し、その菌に最も有効な薬剤を選択することが必要で、そのために行われる検査である。
【意義】一般に、感受性検査のほとんどはin vitroで行われるため、in vivoでの状況を正確に把握することはできないが、少なくとも原因菌に対して有効に作用する薬剤を選択することは可能である。近年、感染症患者から採取し得た原因菌はその細菌が薬剤に対して耐性をもつことが多くなっている現状から考えるとぜひとも必要な検査である。
【検査法】感受性検査法にはさまざまな方法があるが、使用する培地によって寒天培地法および液体培地法の2つに大別されている。一般的な感染症の起因菌または原因菌の感受性検査については、簡便さから臨床的に感受性ディスク法が広く利用されている。
1)寒天培地を用いる方法 : 寒天希釈法、寒天拡散法(特にディスク法)。
2)液体培地を用いる方法 : 液体希釈法、液体拡散法。
【結果・評価】評価は次のような諸点を考慮して解釈されるのが理想的である。
1)当該分離株の当該薬剤に対する最小発育阻止濃度(MIC)、最小殺菌濃度(MBC)と常用量投与によって得られる薬剤の液体中濃度との関係。
2)当該分離株の当該薬剤に対する感受性と、同一菌種の他の菌株の感受性との関係。
3)当該分離株における感染症に対する当該薬剤を用いての治験。
しかし、実用性の観点からは、きわめて感受性3+(常用使用量で効果が期待できる)、かなり感受性2+(大量投与で効果が期待できる)、やや感受性+(病巣に高濃度に到達する薬剤ならば効果が期待できる)、耐性-(効果が期待できない)、の4段階で判定される方法が広く普及している。この判定は薬剤の選択と使用量のガイドラインを示すものであり、臨床効果の善し悪しを表示するものではない。多くの場合、被検菌の感受性がきわめて良く、常用使用量で臨床効果は期待できるので 3+ の感受性のものを使用することが望ましい。