矢田部・ギルフォード性格検査法
- 【読み】
- やたべ・ぎるふぉーどせいかくけんさほう
- 【英語】
- Yatabe-Guilford personality test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】Y-G検査、Y-Gテスト
【目的】因子分析法により多元的に性格を測定しようとする質問紙法である。 1953年、矢田部、辻岡らは、Guilford,J.P.らが用いていた3つの性格検査法を基礎にして、日本人を対象にした性格検査法を確立した。
このテストは、正常者に見られる純粋な人格特性を引き出しているので、人格診断や臨床場面における人格特性の把握には特にすぐれている。また、因子得点の推移から、臨床像の変化や治療経過を評価することも可能であるといわれている。
【検査法】12の人格特性尺度、計120項目の質問に対して自己診断し、「はい(あてはまる)」「いいえ(あてはまらない)」「?(どちらとも言えない)」に記号で答える。質問紙自体に工夫が施されており、3つ折りの中が見えないようになっているうえ、記入した記号がカーボンで回答欄に転写される。記入に要する時間は、おおよそ30分である。
【結果・評価】回答欄に転写された記号を〇印は2点、△印は1点と評価して、各尺度ごとに粗点を数え、標準化されたプロフィールにプロットして標準点に換算する。12の性格尺度ごとに、その尺度の標準点が平均からどれほど偏っているかを読み取り、性格傾向についての解釈を行う。
同時に、複数の人格特性を組み合わせた6つの因子(情緒安定性、社会的適応性、活動性、衝動性、内省的、主導的)がプロフィールの左右いずれにあるかによって、その傾向の程度についての解釈を行うこともできる。
さらに、やや複雑な手続きを行って、次のようなA型からE型までの5つの性格傾向に分類する。各型には典型、準型、混合型があり、判定に当っては12の性格尺度や6つの因子の内容を十分に分析したうえで臨まなければならない。しかし、習熟すれば比較的短時間に行い得るものである。
A型(平均型) : 日本人の平均的な性格傾向である。
B型(右寄り型) : 情緒不安定で、社会的不適応状態にあり、積極的である。
C型(左寄り型) : 情緒は安定し、社会的適応は良いが、消極的である。
D型(右下がり型) : 情緒は安定し、社会的適応状態はよく、積極的である。
E型(左下がり型) : 情緒不安定で、不適応状態で消極的、神経症傾向が強い。