リウマチ因子検出法
- 【読み】
- りうまちいんしけんしゅつほう
- 【英語】
- examination of rheumatic factor
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】リウマチ性疾患患者の血清中には特異的にリウマチ因子(RF)と呼ばれる物質が出現する。このRFが自己抗体または同種、他種のIgGと結合する性質に基づいて、RFの存在を証明する検査法である。
【意義】RFは、慢性関節リウマチ(RA)患者血清中に高率に検出される。通常の検査法では凝集力の強いIgMのRFだけしか検出されないが、IgG、A、M、E、のRFも存在し、なかでもIgGのRFがRAの疾患活動性とよく相関するといわれている。
RAは原因不明の炎症性疾患であるが、発病の直接原因は不明であっても、RFはRAの主症状である多発性関節炎の発症、進展に重要な関わり合いをもっている。したがってRAの病態、活動性をみるためには、臨床的には血中RFの測定が行われている。
【適応疾患名】主として、RAの診断および治療効果の確認、あるいは経過観察になされるが、痛風性関節炎、急性感染性関節炎、神経病性関節炎などとの鑑別診断にもなされる。
【検査法】一般的なRFの検査としては、rheumatoid arthritis test(RAテスト)、rheumatoid arthritis haemagglutination test(RAHAテスト)が広く行われているが、Rose反応、Heller変法などもなされている。最初は簡便なRAテストで、陽性ならば半定量法のRAHAテスト、さらに必要ならば定量法がなされる。
【正常値】RAテストの、-、±は陰性、+以上は陽性と判定する。RAでの陽性率は70~80%といわれている。健常者の陽性率は数%以下であるが、高齢者では陽性率が高い。
RAHAテストでは、40倍希釈以上を陽性とするとRAテストとほとんど変わりはない評価値となる。
【評価】RAおよびRAHAテストは凝集を肉眼的に判定するもので、熟練していない判定者では結果が違うことがある。
RF物質は、慢性感染症、特に亜急性細菌心内膜炎、結核などと、慢性肝炎、肝硬変などでは陽性率が高い。またRAの異型とされるSjogren症候群、全身性エリテマトーデスなどの疾患ではRFの陽性率も高い。
リウマチ因子の検出には諸種の方法があるが、それぞれ一長一短があるので一方法のみでは不十分である。検出原理を異にする2つの方法を選択することが望ましい。