リン(血液、尿)
- 【読み】
- りん(けつえき、にょう)
- 【英語】
- phosphorus, P
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】無機リン
【意義・目的】リンは高エネルギーリン酸化合物(アデノシン三リン酸、クレアチンリン酸など)として核酸リン脂質および骨などの重要成分であり、生体内の酸、塩基平衡にも大きい役割を演じている。成人体内リン総量は500~800gで、細胞外液中には600~700mgが存在する。
血液中のリンは、酸に溶解する無機リンと有機溶媒で抽出される脂質リンに大別される。臨床上最も意味の大きいのは血漿または血清の無機リンである。尿中のリンは無機リンおよび有機リンの両群に分けられるが、ほとんど無機リンで有機リンは4%以下である。
【適応疾患名】血清無機リンの増加は、腎排泄の減少、リンの細胞外移行、過剰の外因性負荷による。血性無機リンの上昇する疾患としては、腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD中毒症、先端肥大症、腫瘍性石灰化症多量の細胞破壊などがあげられる。血清無機リンの低下する疾患としては、腎尿細管性クル病、原発性副甲状腺機能亢進症、ビタミンD欠乏症、ビタミンD依存症、各種高カルシウム血症、低カルシウム血症、利尿剤投与などである。
【検査法】タウスキー法は、硫酸第一鉄を還元剤として使用し、モリブデン酸塩と還元剤を一緒にした試薬を用い、一段操作で発色させ比色する。
血清無機リン正常値 : 成人 2.5~4.5mg/dl、小児 4~6mg/dl