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リンパ球NK細胞検査(末梢血)

【読み】
りんぱきゅうえぬけいさいぼうけんさ(まっしょうけつ)
【英語】
identification of NK cells and estimation of their activities(in peripheral blood)
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】歯周疾患の発症や進行に関与しているリンパ球のうち、NK細胞マーカーを表現する細胞の比率を末梢血中において測定する。また、末梢血中のリンパ球が示すNK細胞活性(非特異的細胞障害活性)を測定するとともに、病巣歯肉中のNK細胞機能と比較検討する。
【目的】慢性歯周炎の病巣歯肉中には、著しいリンパ球の浸潤がみられるが、これらの炎症細胞中には、非特異的細胞障害能をもったNK細胞も存在するとの報告があり、これが自己の結合組織に対して破壊的に作用している可能性も考えられる。そこで、末梢血中のNK細胞の比率および機能を検索し、病巣局所における結果と比較検討することによって、局所の炎症状態の特異性を明らかにするとともに、歯周炎成立機序におけるNK細胞の役割を検討することを目的とする。
【検査法】末梢血リンパ球の分離法は、リンパ球T細胞検査(末梢血)の項を参照。NK細胞の検査方法は、歯肉の項を参照。
【結果・評価】NK細胞は、全身的には癌細胞の排除に重要な役割を演じていることが強く示唆されているが、歯肉組織におけるNK細胞の役割については、一定の見解は得られていない(歯肉の項を参照)。今後の研究により歯肉組織中でのNK細胞の機能、役割が明らかにされれば、炎症性細胞浸潤の源としての末梢血でのNK細胞の検査は歯周炎の診断に重要なものとなる可能性がある。