リンパ球Helper Inducer cell検査(滲出液)、リンパ球Suppressor Cytotoxic cell検査(滲出液)
- 【読み】
- りんぱきゅうへるぱーいんでゅーさーせる(しんしゅつえき)、りんぱきゅうさぷれっさーさいととしっくせるけんさ(しんしゅつえき)
- 【英語】
- examination of gingival crevicular fluid T-cel subset
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【目的】 プラーク構成細菌に対する免疫反応の調節において重要な役割を演じるBリンパ球の分化、増殖に関する指標としてTリンパ球のサブセットのうちその細胞表面抗原のなかでCD4陽性のHelper、Inducer(HI)T cellとCD8陽性のSuppressor、Cytotoxic(SC) T cellの歯肉溝滲出液における比を検索する。
【検査法】 フローサイトメトリーを用いて検索する。歯肉溝滲出液の採取法法としては濾紙やマクロキャピラリーを用いる方法があるが、抽出操作が必要であったり、採取量が少なかったりするため、phosphate buffered saline(PBS)やRPMI培地を用いて歯周ポケット内を洗浄しながらペリスターポンプにより採取する方法がある。以下にその方法を示す。
1) 細胞の調整方法については歯肉溝滲出液リンパ球検査を参照のこと。
2) 市販されているCD4およびCD8に対する蛍光標識したモノクローナル抗体を用いて細胞を染色し、フローサイトメトリーによって分析する。
【結果・評価】 歯周疾患罹患者の歯肉溝滲出液中におけるHI/SC比は同一患者の末梢血リンパ球のそれより低くなる。すなわちHelper、Inducer(HI) T cellの減少およびSuppressor、Cytotoxic(SC)T cellの増加が認められ歯肉ポケット内局所において何らかの形で免疫抑制が生じていることを示唆するものである。また歯周ポケットが深ければ深いほど、あるいは成人性歯周炎よりも重度進行性歯周炎のほうがHI/SC比は低くなる傾向が認められている。