専門情報検索 お試し版

リンパ節診査

【読み】
りんぱせつしんさ
【英語】
lymph node examination
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】リンパ節の審査は、病状の程度およびその進行を知るうえにおいて重要な指針となる。身体におけるリンパ節の働きは、身体を保護する役目をもっていて、身体(組織)にとって害を及ぼす原因となるものの侵入があればリンパ節は肥大し異常状況であることを表わす。
【適応疾患名】一般的に炎症性の疾患および腫瘍性(血液性を含む)の疾患が診査の対象となる。
検査
1)リンパ節の触診 : リンパ節の診査は、触診でないと症状の程度が十分に把握できないことが多い。診査に際しては、腫脹・熱感・疼痛の有無、色調、腫脹の大きさと数、腫脹の硬さ、圧通、腫脹(腫瘤)の可動性の有無などについて総合的な診査を必要とする。
2)リンパ節の生検 : 比較的経過の長い硬固なリンパ節の腫脹があれば、必要に応じてその腫瘤を摘出し病理組織検査をすることが望ましい。
3)リンパ節穿刺検査 : リンパ節腫脹を来した腫瘤に穿刺針を刺入吸引し採取した検体を染色鏡検する。簡単に実施できるため各種疾患の補助、鑑別的診断法としてなされる。
4)リンパ造影法 : 目的とする四肢末端に色素を注射し、色素のリンパ系への移行を促進させ、そのリンパ管内に造影剤を注入、目的とする部位のリンパ系が造影されるのを待ってX線撮影をする。リンパ浮腫などの検討に用いる。
【評価】リンパ節は周囲組織とは独立して存在するため、各種の原因によって一次的には可動性を有する腫脹を呈するが、ときとして可動性がないこともある。これは炎症では周囲に波及したこと、腫瘍では周囲組織に浸潤したことを意味している。
1)急性の腫脹 : 化膿巣の炎症に随伴して起こる局所リンパ節腫脹はしばしばみられる。耳後・耳下・耳前部や後頭部、下顎部、鼠径部、腋窩などに多い。
2)慢性の腫脹 : 結核によるものが多く梅毒、サルコイドーシス、アクチノミコーゼ、真菌などにより生じる。
3)悪性腫瘍による腫脹。
(1)悪性腫瘍による所属リンパ節の腫脹および転移による腫脹などがある。
(2)リンパ性・骨髄性の白血病、濾胞性リンパ腫、ホジキン病などがある。