ルテニウム赤染色法
- 【読み】
- るてにうむせきせんしょくほう
- 【英語】
- ruthenium red staining
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】本法は電子顕微鏡標本における細胞外の糖蛋白や酸性ムコ多糖の検出法で、結合組織の細胞間物質の観察には欠かせない。腎・肺・血管の組織などに応用されている。
【検査法】Luftの方法を用いる。すなわち、組織を前固定液(3.6%グルタールアルデヒド0.5ml、0.2Mカコジル酸緩衝液0.5ml、150ppm RR水溶液0.5ml)で1~24時間(4℃、あるいは室温)固定する。次に0.2Mカコジル酸緩衝液で10分ずつ2~3回洗う。5%オスミウム酸水溶液、0.2Mカコジル酸緩衝液、1500ppm RR水溶液の各0.5mlからなる液で室温で3時間固定する。緩衝液で短時間洗って後、脱水、包理を通法どおり行って薄切する。
【結果】RR陽性部位は無染色の1μmの切片で褐色に染まっている。この染色状況を考慮してトリミングする。その結果、陽性部位には高電子密度の沈澱を生じる。
RRはポリアニオンと静電的に結合し、組織への浸透性は悪い。染色されるのは、細胞外の基底膜、礎質のプロテオグリカン、糖蛋白、細胞表面外套、膠原線維、弾性線維の表面である。RRは形質膜を通過しないので細胞内は染色されない。この性質が細胞内外の物質の識別に応用される。