ロールシャッハ・テスト
- 【読み】
- ろーるしゃっは・てすと
- 【英語】
- Rorschach test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【目的】1921年、Rorschach,H. (スイスの精神科医)により提唱された、投映法による精神診断のための心理テストである。
このテストには、脳の器質的障害に際しての精神的な変化が比較的高率で反映されるほか、立体的で、力動的なパーソナリティの把握や精神状態像を推測するのに欠かせない役割が見いだされている。
また、このテストの結果は、てんかん、神経症、躁うつ病、精神分裂病などの精神科疾患の診断や分類に結びつけることができるために、それらの疾患の特性を研究する際の確立された方法として認められている。
【検査法】5枚の無彩色図版と5枚の有彩色図版(うち3枚は全色彩)の計10枚のインクのシミよりなる偶然図形を順番に呈示して、何に見えるかを患者に答えさせる方法である。
検査の過程で得られた反応を、反応時間、反応数、反応領域、反応決定因、反応内容、平凡反応として観察し、記号化して集計する。
【結果・評価】Rorschachは、その原著の中で、整理の標識として22項目の記号化された反応を取り上げて、さらに5つの問題にまとめている。
1)反応数、反応時間の問題。
2)デターミナント(determinant) : 形、運動、色彩の評価の問題。
3)ローケーション(location) : 全体の把握か、部分的な把握かの問題。
4)コンテント(content) : 内容の問題。
5)その他 : 形態水準(form-level)として総括される反応の形などの質の問題。
これらの分析結果をもとにして、精神状態とパーソナリティの偏在を判断し、精神病学的な診断や解釈が行われる。