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歯肉圧排

【読み】
しにくあっぱい
【英語】
gingival retraction
【書籍】
QDT2008年12月号
【ページ】
91

キーワード解説

歯肉圧排とは、物理的(歯肉圧排糸などを利用)あるいは化学的(収斂剤などを利用)、さらには外科的(電気メスやレーザーなどを利用)な方法によって支台歯(窩洞)周囲の歯肉を排除する手技の総称である。その目的としては、(1)支台歯(窩洞)形成時に、歯肉の損傷を避けつつ歯肉縁下のフィニッシュラインを明確に仕上げる、(2)暫間被覆冠やプロビジョナルレストレーションのマージン適合性を向上させる、(3)印象採得時に支台歯(窩洞)のフィニッシュラインおよび直下の歯質を明示し、正確な歯型の製作と適切なエマージェンスプロファイルの決定を行う、(4)歯肉からの浸出液・血液による印象材への影響を予防する、(5)補綴装置の試適あるいは装着時の適合性の確認を容易にする、(6)歯肉からの浸出液や血液による装着材料の汚染を予防する、(7)歯肉縁下への余剰セメント迷入とその除去にともなう侵襲を予防する、の7点が挙げられる。