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フェイスボウ

【読み】
ふぇいすぼう
【英語】
face bow
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2011年8月号
【ページ】
108

キーワード解説

『GPT-6』(1994年)でフェイスボウは「上顎歯列と特定の解剖的基準点(複数)との空間的関係を記録し、咬合器にその関係を移すキャリパー様の器具で、咬合器の開閉軸に歯列模型を同じ関係で方向づけるのに用いられる」と書かれている。解剖的基準点は、1つの前方基準点、2つの後方基準点があり、前方基準点は咬合器のコンダイルの中心と下弓までの2分の1を患者の中切歯の切縁から上方へ求め、後方基準点はトランスバースホリゾンタルアキシス(以下、THA)が顔面の皮膚を通過する点で、これをトランスファーすることによって、咬合器上で患者の開閉軸を再現することができる。現在、後方基準点は目測法を活用することがほとんどであるが、少ない開口位でセントリックバイトを記録採取する考え方は、実測による真のTHAとの誤差が、下顎運動と調和した咬合面を構築・調整するうえでの影響においてきわめてわずかであるといったことに立脚したものである。フェイスボウトランスファーを行うことにより、三次元的に生体の上下顎位置を咬合器に再現・模写するため、運動学的には有効な価値をもっている。