満腹中枢

【読み】

まんぷくちゅうすう

【英語】

satiety center

【書籍】

nico 2018年10月号

【ページ】

27

キーワード解説

　満腹中枢とは、脳の視床下部にあって摂食行動を調整する中枢神経。満腹中枢は、血液に含まれる血糖値の上昇に刺激されることにより、食欲を抑制する指令を出す。この指令が大脳に伝わることにより、満腹感が生じ、食べ過ぎを防ぐことができる。
　満腹中枢の活動は、血糖値の上昇以外に、咀嚼による刺激によっても活発化することが明らかになっている。これは、よく噛むことによって満腹中枢を刺激するホルモン、ヒスタミンの産生量が増加するためで、この働きによる食欲の抑制効果が認められている。
　ただし、噛む刺激で満腹中枢の神経活動を活発化させるには、ゆっくりしっかりと噛むことが重要で、早食いをした場合には、満腹中枢が指令を出さないうちに食べ過ぎてしまいやすいため、十分な食欲抑制効果は期待できない。