舌下型貯留嚢胞(がま腫)
- 【読み】
- ぜっかがたちょりゅうのうほう(がましゅ)
- 【英語】
- intraoral ranula
- 【書籍】
- 口腔外科YEARBOOK 一般臨床家,口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’23
- 【ページ】
- 57
キーワード解説
貯留嚢胞は、何らかの原因により舌下腺の一部が破綻し、唾液が漏れ出ることによって形成される、粘液を含む嚢胞性疾患である。病変の及ぶ範囲によって、舌下隙に限局する舌下型と、舌下隙から顎下隙に及ぶ舌下顎下型がある。通常は片側性に発生するが、稀に両側性に生じるものもある。原因は、舌がん等の切除手術や、外傷にともなう舌下腺や導管の直接的な損傷、原因不明のものなど、さまざまである。舌下型貯留嚢胞の治療は、古くから根治的な治療方法としての舌下腺摘出術と、保存的な治療方法として開窓療法が行われており、現在でも根治的な治療方法は舌下腺摘出術がもっとも効果的である。手術を希望しない患者や全身的な理由などで全身麻酔手術ができない患者には、OK-432局所注入による硬化療法や、貯留嚢胞に縫合糸をかけて、緩徐に内容液を排出させ上皮化させる微小開窓療法などが行われる。