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骨欠損とそれに対する骨造成手法の分類

【読み】
こつけっそんとそれにたいするこつぞうせいしゅほうのぶんるい
【英語】
Classification of Bone Defects and Bone Regeneration Techniques
【書籍】
審美インプラントの治療戦略
【ページ】
106

キーワード解説

 Benicらが考案した、骨造成が必要になる場合のインプラントと既存骨の関係についての6種類の分類。骨造成が必要な際、どのような手技や材料を用いるか検討する場合に役立つ。具体的には以下のとおりである。
Class 0:インプラントを骨内の補綴的に理想的な位置に埋入できる骨量はあるが、唇側骨のカントゥアが不足しており、唇側軟組織の外観が審美的に問題となる場合、吸収性メンブレンと顆粒状骨補填材を用いた小規模なGBR(骨再生誘導法)を行うかCTG(結合組織移植)を行う必要がある。
Class 1:インプラントを骨内の補綴的に理想的な位置に埋入できる骨幅はあるが、骨内欠損があり、骨内欠損の健全な骨壁とインプラント表面の間に隙間が生じる場合、審美領域では骨内欠損部だけでなく唇側骨の外側にも過補償的に骨補填材と吸収性メンブレンを用いてGBRを行う。
Class 2:インプラントを補綴的に理想的な位置に埋入するとインプラント周囲に骨の裂開が生じるが、裂開部に隣接する骨壁の高さや厚みが十分にある場合、コラーゲンメンブレンなどの吸収性メンブレンと顆粒状の骨補填材を組み合わせたGBRを行う。
Class 3:Class 2 と異なり、インプラント周囲の骨の裂開に隣接する骨壁の高さや厚みが不十分な場合、骨造成部位の体積安定性の獲得が難しいため、非吸収性で立体的に賦形できるタイプのメンブレンに、顆粒状の骨補填材を組み合わせてGBRを行う。
Class 4:水平的な骨欠損が大きく、補綴的に正しい位置でインプラントの初期固定が得られない場合、インプラント埋入前にブロック骨移植や、骨補填材と非吸収性メンブレンやチタンメッシュを組み合わせた水平的な骨増生が必要となる。
Class 5:垂直的な骨欠損が大きく、補綴的に正しい位置でインプラントの初期固定が得られない場合や、顎堤の高さが低くそのままでは軟組織の審美的な外観が得られない場合、インプラント埋入前にClass 4 と同様の骨造成が必要となる。