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セメント質剝離

【読み】
せめんとしつはくり
【英語】
cemental tears
【書籍】
スーパーベーシック ペリオドントロジー 歯肉剝離搔爬術と遊離歯肉移植術までを完全マスター
【ページ】
26

キーワード解説

セメント質剝離は歯根表面のセメント質が一層剝がれた状態で、木の表層が剝がれたような状態と同じ現象である。とくに支持歯槽骨が減少し、臨床歯冠が長くなっている歯根に発生しやすい。歯根の近心、遠心にセメント質剝離が発生すればエックス写真ですぐに判明するが、歯根の中央部分(頬側や舌側)で起きると判断が困難になる。セメント質剝離の臨床所見は、急性歯周膿瘍とほとんど同様の症状で、深い歯周ポケットや動揺度の増加がみられ、症状が進行した場合は歯肉の腫脹および発赤がみられる。急患で来院した際には、急性歯周膿瘍と同様の処置で対応する。急性炎症が治まった後は、剝離したセメント質を取り除かないと治癒しない。剝離した部分が浅い場合はキュレットで対応できるが、深い場合は歯肉を剝離し、歯周外科手術を行う。