骨卒中
- 【読み】
- こつそっちゅう
- 【英語】
- bone attack
- 【書籍】
- 口腔外科YEARBOOK 一般臨床家,口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’24
- 【ページ】
- 48
キーワード解説
高齢者の大腿骨近位部骨折や脊椎骨折は、移動能力をはじめとする日常生活動作を著しく制限すると同時に、生命予後を悪化させる。アイスランドでの調査では、骨粗鬆症等に起因する脆弱性骨折発症後の死亡リスクは、大腿骨近位部骨折の60歳女性で3.0倍、脊椎骨折で2.4倍に増加すると報告されている(Kanisら、2018)。このように、大腿骨近位部骨折や脊椎骨折は高齢者の生命予後を悪化させることから、2017年頃より海外ではheart attack(心臓発作)に模したbone attackという表現がなされるようになった。骨粗鬆症やサルコペニアなどのロコモティブシンドローム(運動器の障害による移動機能の低下)がこれらの骨折を招き、QOLの低下や生命予後の悪化をもたらすことから、本邦でもbone attackを意味する「骨卒中」という言葉が提唱され、骨粗鬆症治療の重要性が啓発されるようになっている。