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インプラント周囲へのCTGにおける併発症

【読み】
【英語】
complications of CTG to the peri-implant
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.4
【ページ】
136

キーワード解説

CTG(Connective Tissue Graft)は審美領域のインプラント治療において非常に効果的な手法であるが、さまざまな併発症が起こりうる。例として、術中の動脈損傷による大量出血や、術後に残した上皮が壊死して骨露出を引き起こしひどい自発痛が起こるもの、術後出血、結合組織移植片の壊死、上皮の取り残しに起因する表層の再上皮化、groove(溝)、などが挙げられる。
術中の大量出血やひどい自発痛が起こるものは、口蓋粘膜の解剖をふまえて手術を行えば回避が可能である。術後出血は、術直後だけでなく、術後2週間は起こる可能性があるため注意が必要である。そして、移植片の壊死は、一部壊死だったとしても予定していたボリュームの増大ができず、審美的にも大きな問題を引き起こす。完全壊死の場合は術前よりもボリュームがさらに失われるという結果となる。また、表層の再上皮化やgrooveは、術後数週間~数か月経ってから現れてくる術後晩期併発症となる。晩期併発症が起きた際の簡便かつ効果的な対応法は存在しないのが現実である。
インプラント周囲へのCTGは、効果だけでなくリスクもふまえ、さまざまな観点から十分な注意を払い適応しなければならない。