根管閉鎖
- 【読み】
- こんかんへいさ
- 【英語】
- plup-canal-obliteration
- 【書籍】
- ザ・クインテッセンス 2025年7月号
- 【ページ】
- 197
キーワード解説
根管閉鎖は、歯髄腔や根管内に石灰化物が過度に沈着する状態であり、歯冠歯髄腔から始まり根管の根尖方向へと徐々に進行する。根管閉鎖の正確な形成機序は明らかではないが、う蝕、咬耗、外傷、過去の外科的治療、あるいは生理的加齢が関与すると考えられている。
根管閉鎖を認める外傷歯では、約75%の症例が根尖病変を発症せず無症状に経過すると報告されている(McCabe PSら、2011)。また、根管閉塞を有する歯に対する非外科的根管治療は約80%と高い成功率であると報告されている(Cvek Mら、1982)。したがって、根管治療の介入は“根管閉鎖の有無”ではなく、“臨床状況や病変の存在”を認めた場合に限定すべきとされている。