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永久歯の先天性欠如

【読み】
えいきゅうしのせんてんせいけつじょ
【英語】
congenital absence of permanent tooth
【書籍】
クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー2025年6号
【ページ】
8

キーワード解説

第三大臼歯を除く永久歯の先天性欠如は、歯科臨床において比較的頻度の高い先天異常の1つである。その発現頻度は7歳以上の日本の小児を対象とした大規模疫学調査で10.09%とされ、発現部位は上顎に比べて下顎に多く、男女、上下顎、左右側のいずれにおいても第二小臼歯がもっとも多く観察されている。
診断の契機としては、乳歯の晩期残存や乳歯脱落後の後続永久歯の萌出遅延や未萌出が挙げられる。
治療には、矯正歯科治療および補綴歯科治療が中心となり、欠如歯数、欠如部位、咬合関係および顎骨の成長発育状況など、多くの要因を考慮して個別に治療計画を立案する必要がある。患者の主観的満足度や治療に対する意向も重要な評価項目となる。なお、一定の条件を満たす先天性欠如症例においては、インプラント治療の国民健康保険による保険適用が認められている。