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アルチカイン

【読み】
あるちかいん
【英語】
Articaine
【書籍】
臨床家の疑問に専門家が答える これが正解! 歯科麻酔
【ページ】
40

キーワード解説

欧米では一般的に使用されているアミド型歯科用局所麻酔剤(製品名 セプトカイン®)。その構造上の特徴は、アミド型でありながらエステル結合をもつ点にある。このエステル結合により、アルチカインは肝臓のみならず、血中の非特異的エステラーゼによっても代謝される。この特性は、肝機能が低下している患者や高齢者にも安全に使用できる可能性を示している。アルチカインは1976年にドイツで導入され、2000年には米国でFDA 承認を受けた。欧米では広く使用されており、とくにドイツでは95% 以上のシェアをもつ重要な歯科麻酔薬とされている。
従来のリドカインやメピバカインと比べて、アルチカインは代謝速度が速い点が特徴的である。この速さは、血中エステラーゼによる分解によるものである。たとえば、リドカインは主に肝臓で代謝されるため、肝機能が低下している患者では薬剤が蓄積するリスクがある。一方で、アルチカインは血中でも分解されるため、そのリスクが低いとされている。麻酔効果の持続時間においてもアルチカインは注目されている。アルチカインは、リドカインと同等かそれ以上の麻酔効果を示し、メタアナリシスでもその有効性が確認されている。さらに、浸潤麻酔や伝達麻酔の両方で高い効果を発揮することが報告されている。
アルチカインの利点は、効果が強力で迅速に発現する点、そして肝臓以外の代謝系を利用する点である。そのため、高齢者や、複雑な全身状態をもつ患者にも有用とされている。アドレナリンの含有濃度もやや低い点は(10万倍)、全身疾患を有する患者に対しては有利な点である。また、血管収縮薬であるアドレナリンとの併用により、効果の安定性も向上する。一方で、日本における使用はまだ始まったばかりで、国内の臨床データは限られているので、さらなる大規模な研究が求められている。