ウォーカー咬合器
- 【読み】
- うぉーかーこうごうき
- 【英語】
- Walker articulator
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 1896年、Walkerによって開発された調節性咬合器。1859年にBonwillの開発したボンウィル咬合器の顆路指導部は、下顎運動が水平的なものであることを前提としてつくられていたため、矢状顆路傾斜度が0度に固定されていた。Walkerはこのことに疑問をもち、独自に開発したクリノメータを用い顆路傾斜を実測した。その結果、実際の下顎運動とボンウィル咬合器の運動が大きく相違することに気づき、下顎運動は水平的なものではなく、顆頭が前下方へ移動することによって生じるものであることを発見した。このことは、Luceが1899年に発表した“下顎は前方へ運動する”という事実に、さらに下方への要素を加味した点で意義がある。
Walkerは、クリノメータを用い矢状顆路が水平面に対し約35度の傾斜をもつことを知り、また側方運動時に作業側の顆頭が後上方へ移動することもみつけた。これらの知見は、ウォーカー咬合器に取り入れられ、ついで発表されたフィジオロジック咬合器には各個調節性の顆路が備えられ、最初の顆路調節性咬合器として重要な歴史的価値をもっている。フィジオロジック咬合器は側方運動時に特殊な回転中心軸をもち、ウォーカー咬合器と同様にアルコン型咬合器としての特徴を備えている。
⇒フィジオロジック咬合器、クリノメータ