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沖野節三

【読み】
おきのせつぞう
【英語】
Setsuzo Okino
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
わが国を代表する補綴学者。日本大学歯学部補綴顎教授。とくに総義歯学に造詣が深い。1895年に生まれ、1918年に東洋歯科医学校を卒業。その後スイスに留学し、チューリッヒ大学歯学部を1929年に卒業。この間、同校でGysiに補綴学を学ぶ。1934年医学博士。沖野の咬合学的立場からの業績は数多いが、特筆されることは、長尾らとともにGysiの理論と臨床術式をわが国に紹介し、普及させたことであろう。1936年、Gysiの理論をまとめた著書を上梓。また、Gysiの理論の再検討にも指導的な役割りを果たす。同年、習慣性咀嚼側を重視した沖野式解剖学的咬合器を開発。また、1953年、有歯顎用として自由運動咬合器を開発、歯牙誘導により偏心運動を再現する方法を推奨。1954年日本歯科医学会会長。1965年東京都より発明功労賞。1966年に紫綬褒章を、1968年には勲2等瑞宝章を受ける。1976年逝去、正4位。主著に総義歯学‐理論編(医歯薬出版、1936)。総義歯補綴学(永末書店、1964)がある。