関節結節
- 【読み】
- かんせつけっせつ
- 【英語】
- Articular tubercle
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 側頭骨の鱗部の一部。下顎窩の前方にある結節をいい、その前方は頬骨突起に移行している。関節結節は、下顎頭が前方へ偏位するときの限界を決め、最大開口時には下顎頭がその後縁まで達する。そして、もしも下顎頭が関節結節を大きくのり越えるようなことがあると、下顎は脱臼する。下顎窩底部から関節結節までの距離は約10mmあり、そこには前下方に向かってなだらかに傾斜するS字状の彎曲がみられ、この部分の形態は下顎運動の後方決定要素として重視されている。前方運動時に、下顎頭および関節円板は関節結節に向かって前下方に進む。
そのため、前方顆路はこの関節結節の前半部の斜面状態と円板‐下顎頭複合体の正否によって異なった経路をとる。関節結節の高さは個人によっても異なるが、同一人でも経年的な変化がみられる。また有歯顎と無歯顎では異なり、有歯顎では鋭く高いが無歯顎では平坦となる(上條 1966)。
⇒下顎窩