カンペル平面
- 【読み】
- かんぺるへいめん
- 【英語】
- Camper’s plane
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 鼻翼下点と左右の外耳道上縁とを結ぶ仮想平面。頭蓋に定められた基準面で、Camperによって考え出された。カンペル平面は咬合平面に対して平行になるとされている。その意味ではカンペル平耳道下縁と結ぶ面としたほうが、より咬合平面に対して平行になるため、Gysiはこの仮想平面をカンペル平面と定義し直している。GPT-6では、カンペル平面を“右または左の鼻翼下点と左右耳珠上縁(外耳道上縁とした場合と結果はほとんど同じ)を含む平面”と当初のCamperの考えに従って定義しているが、上述の理由により、Gysiの定義をとるべきであろう、と付記している。保母ら(1993)が、上條(1966)のまとめた日本人の骨学データに基づいて、図上解析した結果によるとGysiの定義し直したカンペル平面は上顎中切歯切端を中心として約28mmの半径で描いた円に接している。Gysiの定義したカンペル平面を他の水平基準面と比較すると、フランクフルト平面に対し約12度前傾し、Camperの定義したカンペル平面に対し約5度上方に向き、アキシス平面に対し約4度前傾している。無歯顎患者の咬合平面を設定するのに役立つため、補綴学的平面とも呼ばれている。ちなみに、鼻翼下点と外耳道下縁とを結ぶ線は鼻聴道線と呼ばれ、カンペル平面と同じ目的で使われている。
⇒水平基準面