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ギージーの顔弓

【読み】
ぎーじーのがんきゅう
【英語】
Gysi’s face bow
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
1900年代の初頭にGysiにより考案された測定用顔弓。SnowやHanauの顔弓のような単純顔弓ではなく、顆路の測定とゴシック・アーチの描記を目的とした今日のパントグラフのような性格を有している。その構造は単純顔弓に類似しているが顆頭指示桿の代わりに顆路描記針が取りつけられ、正中部の前方にはゴシック・アーチ描記板をもつサイド・フォークが取りつけられるようになっている。上顎咬合床の正中部に取りつけた描記針によりゴシック・アーチを描くことができる。顆路は患者の顆頭部の皮膚上に厚紙を固定して描記し、これにより矢状顆路の形状と傾斜度を測定する。Gysiはこの測定用顔弓を用い、矢状顆路傾斜度が平均33度であることを調べた。この値はGysiのシンプレックス咬合器に生かされ、のちに開発される多くの平均値咬合器に採用された。