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臼磨運動

【読み】
きゅうまうんどう
【英語】
Grinding movement
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
食物を、すりつぶすことを目的として行なう咀嚼運動の一種。この運動は、草食動物で著明にみられ、肉食動物ではまったくみられない。ヒトでは、臼磨運動は主に下顎の側方旋回によって行なわれ、これに上下的要素が加わることもある。臼磨運動はほとんどの場合、咬断して分割された食物をさらに細分化するために行なわれ、上下顎の臼歯はくり返し交叉し、この運動をなしとげる。この運動により食物は嚥下しやすいような食塊に形成される。ちなみに、臼磨運動と関連して臼磨力という用語が用いられることがあるが、これは歯科医学特有の用語で、物理学的には圧縮応力compressive stressと剪断応力shearing stressという2種類しか存在しない。近い将来このような生体力学的観点から咀嚼作用の解析が行なわれることが望まれる。
⇒咀嚼運動