筋膜痛
- 【読み】
- きんまくつう
- 【英語】
- Myofascial pain
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 筋膜痛myofascial painは活動型誘発点からの関連痛またはこれから発せられる局所の痛みをさす。これはかつて、筋痛症、発痛点痛trigger point pain、MPD症候群と呼ばれていたものである。myoは筋、fascialは筋膜の意味があるので筋・筋膜痛と訳されるとあるがmyofascialは筋膜の意味である。関連痛はしばしば頭痛としてとらえられるので、緊張性頭痛と筋・筋膜痛としてとらえられるので、緊張性頭痛の本態はいまだに不明の点が多い。以下にOPG-3の診断基準を示す。
次の各項目をすべて満たす場合に診断される。
1)局所に鈍い、疼痛があり、咀嚼筋が罹患している場合には下顎の機能により疼痛が増悪する。
2)筋組織または筋膜の硬結帯のなかに過敏点(発痛点)を触知する。このような発痛点の誘発刺激により痛みの訴えが変化し、関連痛が明らかになる。
3)揮発性冷却スプレイまたは局所麻酔薬の注射とそれにつづく伸展によりに50%以上の疼痛が軽減する。
これらに加えてさらに次の症状が認められる場合もあろう。
1)筋の凝り。
2)臨床的検査では確認されない急性の自覚的咬合不均等感。
3)耳症状、耳鳴、眩暈、歯痛、緊張性頭痛。
4)咀嚼筋が罹患した場合には、開口量の減少、閉口筋の受動的伸張により開口量が4mm以上増加する(ソフトなエンド・フィール)。
5)関連痛部位の疼痛過敏。
【鑑別診断の必要な疾患】
骨関節炎、筋炎、原因不明の筋痛、新形成、ファイブロマイアルジア。