専門情報検索 お試し版

クローズドロック

【読み】
くろーずとろっく
【英語】
Closed lock
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
⇒復位不能円板転位 
OPG-3によれば、咬頭嵌合位における円板の転位で、顆頭が、滑走または回転運動の際に、円板に対して解剖学的に正常な関係をとることが不可能なものとされる。これは非後位性円板転位とも訳される。急性復位不能円板転位と慢性の復位不能円板転位に分けられる。同義語の円板ロッキングdisc lockingとクローズドロックclosed lockはともに不適切用語とされている。なお、GPT-6によれば、円板ロッキングは正常な位置あるいは関係に戻ることのない関節円板の位置異常と定義されている。
以下、OPG-3の診断と鑑別診査の基準を示す。
【急性復位不能円板転位】
診断
1)突発的に生じた開口障害の既往があり、持続的に35mm以下の開口制限があること。
2)開口時に患側へ下顎が偏位する。
3)片側性の場合には、反対側への側方運動の制限。
4)軟組織の画像診査ではいずれの下顎位においても円板の転位が認められるが、硬組織の画像診査では著明な骨変化の認められないこと。さらに、次の状態が認められる場合がある。
1)強制開口により痛みが発現する。
2)開口障害とともに消失したクリッキングの既往。
3)患側の顎関節の圧痛。
4)患側の咬合の過高。
5)硬組織の画像診査で中等度の骨変化が認められる。
鑑別
急性滑膜炎、急性関節包炎、急性筋スパズム。
【慢性復位不能円板転位】
診断
1)突発的に生じた開口障害の既往が4か月以上経っていること。
2)軟組織の画像診査ではいずれの下顎位においても円板の転位が認められるが、硬組織の画像診査では著明な骨変化の認められないこと。さらに、次の状態が認められる場合がある。
1)痛みはあるにせよ、急性期に比較して著明に減少し、通常は少し重いという感覚程度である。
2)開口障害とともに消失したクリッキングの既往。
3)硬組織の画像診査で中等度の骨変化が認められる。
4)開口量の緩徐な増加。
鑑別
骨関節症、多発性関節炎、線維性強直症、新形成。
⇒顎関節内障