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咬合面

【読み】
こうごうめん
【英語】
Occlusal surface
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
上下顎臼歯の相対する歯面で、咬頭の間に囲まれた陥凹部。咀嚼面とも呼ばれ、下顎を閉じたときに互いに接し、この部分で食物を圧砕、剪断する。GPT-6では対合する咬合面と接触する臼歯または咬合堤の表面、と定義されている。歯軸に対してほぼ直角をなすが、近心に植立する臼歯ほど咬合面が傾斜し、ことに下顎の第1小臼歯は犬歯への移行型として、その咬合面は水平と垂直の中間を示している。2個あるいはそれ以上の咬頭をもち、咬頭は舌側と頬側に相対して立っている。そのなかで、頬側にある咬頭は切歯の切端と犬歯の尖頭に相当する歯冠部で、舌側の咬頭は切歯や犬歯の基底結節のさらによく発達したものとみなされている(藤田 1949)。臼歯の頬舌径と咬頭間距離(咬合面の幅)はおおよそ100:60の割合といわれ(トーマス、舘野 1977)。上顎の咬合面は頬側に、下顎の咬合面は舌側に、それぞれずれている。咬頭と咬頭との間には裂溝があり、隆線や結節によって複雑な溝を形成している。咬合面溝が相合したものを咬合面窩と呼ぶ。この部分には食物が残留しやすいため、齲蝕の好発部位になっている。咬耗や磨耗により、咬合面に咬耗面が現われることが多い。咬耗面は、各個人の咀嚼運動やブラキシズムなどと関連をもつといわれている。