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姿勢

【読み】
しせい
【英語】
Posture
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
姿勢は筋と骨格の問題であるので、筋骨格系の問題に分類される頭蓋下顎障害も筋骨格由来に含まれる。症例によっては姿勢の改善を中心とする行動認識療法、姿勢訓練posture trainingが必要となる。
頭部前方姿勢forward head postureは頭頚部に問題のある患者ではよくみられる姿勢で、頭部の前方位を維持するために頚部の筋の慢性的な過緊張が要求される。
姿勢改善の目標は、下顎骨に付着する種々の筋と舌の筋のみならず、頭部、頚部、肩部の筋の不都合な筋活動を軽減させることにある。正しい姿勢(orthostatic)をとらせることにより、頚部と肩部の筋の活動性を低下させ、下顎の前突を防止することである。舌の位置もまた下顎骨に付着する筋の機能と下顎位に影響する。機能時を除いて下顎はリラックスした位置(安静位)にあるべきである。このためには、上下歯列を離開させ咬合接触を避けること、舌を口蓋前方部に緊張することなく位置させ、側方への突出を避けることが必要である。このような姿勢改善を指導すると、半数以上の顎関節症患者で顎頚肩部の不快感の改善と圧痛の低下傾向が認められる。
姿勢改善は理学療法においてよく行なわれるものであるが、頭蓋下顎障害との関連についてはいまだ不明の点も多く、メカニズムや個々の患者に最適の指導内容を明らかにする研究が待たれる。