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診断用ワックスアップ

【読み】
しんだんようわっくすあっぷ
【英語】
Diagnostic waxing
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
フルマウス・リコンストラクションの治療計画の立案にあたり、咬合の修正を必要とする範囲、それに要する歯質の削除量、歯冠補綴物の種類、などを判定するために行なうワクシング・テクニック。咬合器に取りつけたスタディモデルの咬合面を石膏刃で3mm程度削除し、その部位にインレー・ワックスを流しつけ、カスプ・フォッサ・ワクシングを行ない、もっとも機能的と考えられる咬合状態をつくる。この操作を行なうときは、各歯の位置関係にまどわされずに、もっとも理想的な咬合関係を付与するよう努力すべきである。ワックスによってつくられた理想的な咬合面と、実際の歯の植立位置との誤差を調べ、両者の間にずれのない場合は、歯質の削除量の少ないM.O.D.アンレーなどの部分被覆冠を用いる。逆にワックスの咬合面と歯の植立位置との間にずれが認められる場合は、歯冠形態の変更にある程度自由のきく全部被覆冠を選ばなければならない。ワックスの咬合面と植立位置が大幅にずれている場合は、マイナー・トゥース・ムーブメントや、抜歯、オッセオインテグレーテッド・インプラントの埋入のような外科的処置が必要となる。診断用のワックスアップは、フルマウス・リコンストラクションの治療計画にとって、欠かすことのできないステップとされている。