伸張性筋収縮
- 【読み】
- しんちょうせいきんしゅうしゅく
- 【英語】
- Myotatic muscle contraction
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 筋が収縮しているにもかかわらず、結果として引き伸ばされているような筋収縮をいう。遠心性筋収縮とも呼ばれる。この筋収縮は筋が伸展されたときに、その付着する骨体が過度に運動することのないよう制御する作用をもっている。たとえば、開口反射や下顎の急激な押し下げによって、大きく開口した場合に、下顎が過度に運動しないよう、開口筋がその長さを引き伸ばしてブレーキとして働くのはそのよい例である。これは反射的に開口筋を収縮させる制御機構であり、開口筋中の筋線維の伸展によって、筋線維を並列している筋紡錘が興奮し、インパルスを三叉神経中脳路を介して中枢の中脳路核に伝達する。そして、三叉神経運動核の開口筋支配の神経を刺激することによって、この筋収縮が生じる。したがって、急激な開口や閉口反射のあとには筋の伸張性筋収縮が生じることが多い。この筋収縮は筋紡錘の中央部にある終末と、それとシナプスを形成する運動核神経細胞のみからなる単シナプス反射である。