水平基準面の傾き
- 【読み】
- すいへいきじゅんめんのかたむき
- 【英語】
- Angle between horizontal planes
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 水平基準面には7種類あるが、それらの相互間の傾きについては従来明らかでなかった。高山ら(1993)は上條(1966)のまとめた骨学データに基づいて、フランクフルト平面を参照面とし他の6種類の水平基準面の傾き角度を図上解析により求め、次の結果を得た。角度の正負は、左側からみて反時計回り(前傾)の向きを正とした。下記において、括弧内の数値は上條の骨学データを用いて幾何学的に算出した参考値である。
1)Camperによるカンペル平面:16.5度(16.52度)
2)Gysiによるカンペル平面:11.8度(11.76度)
3)McCollumによるアキシス・オービタル(軸眼窩)平面:-2.5度(-2.33度)
4)Stuartによるアキシス・オービタル平面:-0.5度(-0.48度)
5)Guichetによるアキシス平面:7.5度(7.37度)
6)軸鼻翼平面:17.5度(17.47度)
ちなみに、水平基準面の相違は水平面投影や前頭面投影上の角度値にも無視できない誤差を生じる。三角法による算出結果の1例を示すと、水平側方切歯路角が140度、前頭切歯路傾斜度が30度のとき、水平基準面が10度前傾すると水平側方切歯路角が9.8度増加し、前頭切歯路傾斜度が2.8度減少する。なお、ツインステージ法で用いるような樋状の調節性切歯指導板においては、異なる水平基準面を基準とした場合にも矢状傾斜度を表により補正しただけで側翼角も同時に補正される。