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スタディモデル

【読み】
すたでぃもでる
【英語】
Study model
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
口腔診査の1資料として、診断、設計などに使用される上下顎の石膏模型。口腔内の状態をそのまま再現して、口腔内では直接観察しにくい歯と歯周組織の形態と機能を、あらゆる角度から客観的に観察することができる。スタディモデルは診査内容により一般診査用模型、ナソロジー的診断用模型、矯正用顎態模型の3種類に分けられる。
一般診査用模型は上下顎歯列の形態を表したもので、咬頭嵌合位で個々の歯の形態や植立状態、欠損の有無や部位、咬耗の状態、顎堤の形態や小帯の付着状態、歯肉の頬移行部の形態などが診査できる。一般診査用模型は診療計画の立案に役立てられ、術前の記録用の資料ともなり、また、患者に治療方針の説明をするときの視覚教育用にも使うことができる。しかし、一般診査用模型は咬合器に取りつけられていないのが普通だから、これを使って咬合の機能的な診査を行なうことはできない。
ナソロジー的診断用模型は、一般診査に加えて咬合の機能的診査を行なうため、かなり厳密な精度が要求される。通常1人の患者に3組の診断用模型がつくられる。1つは咬合の診断用、1つは試験的咬合調整のため、1つは診断用支台歯形成と診断用ワックス・アップのために用いられる。また、それらの模型を利用して、各々の精度を確かめることもできる。ナソロジー的診断用模型は次の3つの条件を備えていなければならない。
1)フェイスボウ記録により上顎模型が咬合器に取りつけられている。
2)中心位で下顎模型が取りつけられている。
3)咬合器が患者の下顎運動を正しく再現している。
ナソロジー用診断模型では、まず中心位の診断が行なわれる。早期接触は、厚さ12.5μmのオクルーザル・レジストレーション・ストリップスで確認される。中心位の早期接触の好発部位は、第2大臼歯と第1小臼歯である。この操作には中心位と咬頭嵌合位のずれの大きさの検査、垂直的なずれの検査、原因歯の歯列上における近遠心的位置関係の検査、下顎の偏位の方向の検査などがある。次に同じ模型を使って偏心位の早期接触の診査を行なう。この診査を正確に行なうためには、咬合器の運動量が完全に再現されていなければならない。ついで作業側の咬頭干渉と前方運動時の咬頭干渉を調べる。これらの早期接触や咬頭干渉の発現部位とその程度は正確に記録され、診断の資料にされる。また、ナソロジー用診断模型上で試験的に咬合調整し、これらの削合部位や順序、削除量などをチャートに記録しておけば、口腔内の咬合調整時に歯質の不必要な削除を防ぐことができる。また、模型の上下顎咬合面を削合して診断用ワックスアップを行なうことがある。これによって、フル・マウス・リコンストラクションを行なうために必要な支台歯の削除量を知ることができる。
矯正用顎態模型は、矯正の診断に使用され、上下歯列弓の咬合状態を頭蓋との位置関係を再現できるように調整された模型をいう。顎態模型の製作法はSimonにより考案され、顔面の基準点の計測にはSimonの顎態診断器、高橋の顎態診断器などが使用される。水平基準面はフランクフルト平面が用いられ、上顎模型の上部基底がこれに一致する。普通、咬合器やその他の装置に取りつけずに歯列模型のまま使用される。しかし、矯正領域では現在X線セファログラムを主として診断するので、Simonの顎態診断模型は使用されなくなっている。