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セントリック・カスプ

【読み】
せんとりっく・かすぷ
【英語】
Centric cusp
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
対合歯の咬合面窩や隣接面鼓形空隙に噛みこみ、咬頭嵌合位を保持する咬頭。セントリック・ホールディング・カスプまたはサポーティング・カスプとも呼ばれる。普通、機能咬頭のことを意味するが、上顎第1小臼歯の舌側咬頭、上顎大臼歯の遠心舌側咬頭、下顎大臼歯の遠心咬頭はいずれも対合歯に向かい合うだけで、このような機能は営まない。そのため、これらの咬頭はセントリック・カスプとは呼ばない。
セントリック・カスプの嵌合状態により、咬合はカスプ・フォッサcusp fossaとカスプ・リッジcusp ridgeに分けられる。カスプ・フォッサとは、すべてのセントリック・カスプが対合歯の咬合面窩と嵌合するような咬合様式をいい、カスプ・リッジとは、セントリック・カスプが対合歯の隣接面部に嵌合するような咬合様式をいう。前者は理想的な天然歯列において稀にみられ、1歯対1歯の咬合関係となる。また後者は天然歯列に広くみられ、1歯対2歯の咬合関係となる。