専門情報検索 お試し版

相反性クリック

【読み】
そうはんせいくりっく
【英語】
Reciprocal clicking
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
⇒復位性円板転位 
咬頭嵌合位における関節円板の転位で、下顎頭が、回転または滑走を行なうことにより、円板に対して解剖学的に正常な関係をとることが可能なものをさすとOPG-3では定義されている。
前方運動では、下顎頭は前方に滑走しつつ前歯誘導の角度に応じた少量の回転を生じる。開閉運動では、初期には下顎頭は回転を主体として少量の前方滑走を行なう。後には下顎頭は前方滑走と回転を行ないつつ最大開口位に達する。側方運動では、非作業側においては下顎頭は前下内方に滑走しつつ前歯誘導の角度に応じた少量の回転を生じる。また、作業側においては下顎頭は回転し内側極部は前下外方に外側極部は外方に移動するがこれには後外方の場合も前下外方の場合もある。作業側にあるときを除いては下顎運動中に下顎頭の前方への滑走を生じる。これら下顎頭の前方への滑走時に関節円板上へ下顎頭が復位する際にクリック音が発生する。このうち、開口運動におけるクリックはとくに開口時クリックと名づけられ、クリック音の発生が開口運動のいかなる時期であるかによって3つに分けられる。
開口早期クリッキングは下顎頭が前方滑走をはじめる際に生じるクリックである。開口中期クリッキングは下顎頭の前方滑走の中期に生じるクリックである。開口後期クリッキングは下顎頭の前方滑走最終点のわずかに手前で生じるクリックである。
→顎関節内障