側方運動(偏心性)を司どる筋
- 【読み】
- そくほううんどう(へんしんせい)をつかさどるきん
- 【英語】
- Muscles、control of eccentric lateral movement
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 下顎を中心位から側方位へ向かって移動させるような運動が行なわれるときには、外側翼突筋と側頭筋後部筋束が主働的に作用する。非作業側の外側翼突筋は同側の下顎頭を前下内方へ引き出しそのとき作業側の側頭筋後部筋束は同側の筋突起を後方へ引く。これら2つの筋の作用により下顎は作業側の顆頭を中心に回転する。また、側方運動時の初期に発生する下顎のわずかなサイドシフト(横ずれ)は、作業側の側頭筋後部筋束が作用して生じる。このような運動が行なわれる間、咬筋、内側翼突筋などの下顎の挙上筋は拮抗的に作用して適当な歯の接触関係をつくり出し、さらに、頭蓋と舌骨に付着する筋がこの運動の固定源として作用している。とくに、非作業側の胸鎖乳突筋は固定源として重要で、緊張すると外側翼突筋の起点の部分をしっかりと固定し、側方運動が効率よく行なわれる。
⇒外側翼突筋、側頭筋、胸鎖乳突筋